西条市議会12月定例会一般質問①農業振興について
- Kuniyasu Yagi
- 1月7日
- 読了時間: 6分

西条市においては、丹原町で外国資本による農地買収が進み、中国に登記のある企業が20ha以上の農地を買収しました。そのことの是非はありますが、最大の要因は農業従事者の収益が上がらず、その結果として担い手不足や離農者の増加、そしてそれによる耕作放棄地の増加であると私は考えています。買収が収束化して以降数年経ちますが、効果的な解決策が取られないまま時が過ぎている現状がると感じています。
農業従事者の平均年齢は間もなく70歳を超えると言われており、このままでは5年後にどれくらいの方が継続して農業を続けられるのか先が見えません。
私の3月の一般質問でも述べましたが、食料安全保障については、食料自給率はカロリーベースで37%であり、約3分の2を海外に依存しています。さらに、農薬、化学肥料を使用した慣行農法の耕作面積は全体の99%以上を占めており、その農薬、化学肥料のほとんどが海外に依存しています。もし外交政策の流れの中でこれらが止まった場合、東京大学の鈴木宣弘特任教授の分析ではたちまち5%以下になると予想されています。
また、国策として『みどりの食料システム戦略』が策定され、2050年までに
・農林水産業におけるCO2ゼロエミッション化の実現
・化学農薬の使用量をリスク換算で50%低減
・化学肥料の使用量を30%低減
・有機農業の取り組み面積を25%(100万ha)まで拡大
することを実現することを目標としています。
そして2022年には中間目標として
・CO2は10.6%削減
・化学農薬はリスク換算で10%低減
・化学肥料は20%低減
・有機農業耕作面積は全国で6.3ha
が定められました。この項目のうち、私個人は脱炭素、カーボンニュートラルには懐疑的立場であり、CO2削減には否定的立場です。
本市としてもこれらの現状から、2050年までのロードマップを作成し、2030年の中間目標に対した評価を行い対策を立てることが必要であると考えます。
また本市の有機農業耕作面積割合は、全国平均が約0.7%に対して約0.2〜3%と非常に低く既に出遅れている状況です。
さらに最近では猪や猿などの獣害にも悩まされ、これまで以上に苦しい状況に追い込まれている農業従事者も多くいらっしゃいます。
私たちが毎日口にし、生きていくために必要不可欠な作物を、汗水垂らして自然と日々格闘しながら作ってくださっている農業従事者を守ることは、すなわち私たち市民すべての命や健康を守ることに他なりません。
以上のことから、危機感を農業従事者とも共有し速やかにかつ効果的な対応策を取るべきであることは明らかであると考えます。
そこでお伺いします。
まず⑴基幹的農業従事者数及び経営耕地面積についてお伺いします。
ア 推移について、イ 今後の予想について伺います。
農業従事者については資料があれば年齢別の構成についてもお答えください。
ありがとうございました。
近年の農業従事者の減少ペースは、政府の予想を遥かに上回るペースで進んでいます。11月29日付の日本農業新聞の記事で公表された、2025年農林業センサスでは、基幹的農業従事者数は全国で102万人と、5年前から34万2千人減少し、減少率も25.1%と、1985年以降過去最大の減少でした。平均年齢については67.6歳と1995年以降初めて低下しました。これは高齢の農業従事者が離農したことによって相対的に低下したことも考えられ、一概に喜べないと考えます。
次に⑵有機農業の推進についてお伺いします。
有機農業については本当に幅が広く、動物性堆肥を使用したものから植物性堆肥(いわゆる緑肥)を使用したもの、農薬や肥料を全く使用しない自然栽培や、ほぼ自然に任せ手をかけない自然農法などさまざまな種類があります。
またそのやり方もそれぞれの農法の中でも画一的ではなく、だからこそ分かりづらい、あるいは面倒臭いなど、慣行農法の農業従事者の方たちにとって手を着けづらい、あるいは切り替えたとしてもその数年間をどうやってやり過ごすのかなど問題も多く積み上がっているのが現状です。
特に高齢の農業従事者の方たちは、「今更そんなもん覚えられん。」「そんな面倒くさいことやるくらいならもう止める。」「どこに売ったらええんじゃ。」などの声も上がっています。
しかしながら有機農業を推進することは、ネオニコチノイド系の農薬、硝酸対窒素を多く含む肥料、発がん性物質のグリホサートを含む除草剤の使用量が減少に繋がります。私たちにとって体に良いものを食べることによって、がんなどの成人病、あるいは精神的疾患は減少し、医療費の削減にも繋がります。
また、全国各地には有機農業の成功事例も多くあり、それらを参考することによってハードルを少しでも下げられるのではないかと考えます。
例えば
・まとまった農地で有機を集中的に推進
・農薬飛散の影響がない区域を指定
・生産者への支援を集中的に投下
することによる有機エリアを設定してゾーニングを行う。
・有機認証費用の補助
・書類作成支援、審査対策
・年次記録のICT化
など有機JAS取得サポート
また有機農業の生命線である土壌管理に対する診断の無料提供などが考えられます。
さらに千葉県の南房総市やいすみ市、千葉市、また神戸市、愛媛県内では今治市においては地元の有機栽培や自然栽培の米を学校給食に優先調達するなど公的な支援の事例もあります。
そこでお伺いします。
有機農業の推進について、ア 現状について、イ 今後の取り組みについてお答えください。
ありがとうございました。
それでは最後、⑶担い手の確保についてお伺いします。
これまでのやり取りで慣行農法や有機農業のこれまでの推移、そして今後の動向予想が明らかになりました。
しかしこれからの農業振興にとって、とにかくその担い手がいないことには話になりません。後継、新規就農者を確保していくこと、そのためにどういう戦略を立てるのかが重要になります。
本市における新規就農者の確保について、例えば廃校予定になっている丹原高校跡地に大学の農学部の機能を移転させるというプランも市長は考えていらっしゃったと思います。そういう研究機関を設ける事ができれば、松山市にあるように愛媛大学農学部附属高校のような農業従事者育成機関を作るというようなさまざまなアイデアを地域住民と共に取り組んでも良いと思います。
また、乱暴な言い方かもしれませんが、担い手を確保するためにはまずとにかく儲かること。安心して農業に従事するには生活の安定が重要です。自助や共助には限界があります。
以下に全国の収益アップの取り組んで成功している自治体の共通パターンです。
1. 学校給食を「確実な販路」として固定化(量・価格の安定)
2. 市が「プレミアム加算金」「手取り保証金」を予算化して上乗せ
3. ふるさと納税返礼品に積極採用 → 実質的に市の税収で農家に還元
4. 農家に共同乾燥調製・選別施設を整備してコスト削減
5. 「〇〇プレミアム米」などの独自ブランドで域外の高級路線を確立
これらの自治体は、単に「地産地消」と言っているのではなく、明確に「農家の手取りを2倍にする」という数値目標を掲げて予算を組み、実行しています。特に南房総市・うきは市・神戸市は、全国の自治体が視察に訪れるほど成果が顕著です。
これらのことを鑑み、ア 新規就農者確保に向けた取り組みについて、イ収益向上に向けた取り組みについてお答えください。
ありがとうございました。
農業振興についてはとにかく待ったなしの状況です。『命と健康を繋ぐ農業』市長にはぜひ危機感の共有をお願いできればと思います。


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