top of page
検索

西条市議会12月定例会一般質問②多用な学びのある場の提供について

『今日なぜ多様な教育が必要とされるようになってきたのか?』それには大きく2つの理由があります。

一つ目は、子ども側の理由

二つ目は、社会の側の理由

つまり、『一人ひとり違う子どもが、自分の力が最大限に発揮できる社会をつくるため』です。そのためには大きく6つの要因を考慮する必要があります。

一つ目は、『子どもの特性・背景が多様化しているから』です。

現代の子どもたちは、学力・得意不得意・家庭環境・発達特性・興味関心などが大きく異なります。例えば

  • 発達特性がある子ども

  • 不登校や学校に行きづらさを抱える子ども

  • 特定分野に突出した才能をもつ子ども

  • 学習スピードが速い子、ゆっくりな子

  • 家庭の事情でサポートが不足する子

このような多様な子どもを、同じやり方で一律に指導することは困難です。つまり教育の側が子どもに合わせて柔軟に変わる必要があります。

二つ目は、『“平均的な子ども像”がもはや存在しないから』です。

かつては「ほぼ同質の子どもが同じペースで学ぶ」ことを前提にして教育制度が設計されていました。しかし、現在は「標準児(平均的な子ども)」というモデル自体が成立しません。一律の教育は、多様化した現実の子ども像に対応できなくなっています。

三つ目は、『不登校の増加という現実』です。

文科省によれば、全国で不登校児童生徒は令和4年には約29万9千人、令和5年には約34万6千人、令和6年には約35万4千人と年々増加傾向です。理由は多様ですが、根本には「既存の学校の枠組みではうまく学べない子が増えた」という現実があります。多様な学び=不登校対策ではなく「行きづらさを感じる前に選択肢を用意する」 ことが重要です。

四つ目は、『AI時代・グローバル社会では“一律教育”がむしろ不利になるから』です。

AI・自動化・グローバル化により求められる力が変わってきています。

  • 創造性

  • 問題解決力

  • コミュニケーション

  • 自己調整学習(自分で学び続ける力)

  • 多様性のある組織での協働力

これらは、均質な環境では伸びません。

つまり多様な学習環境=未来の社会に必要な力を育てる土台です。

五つ目は、『少子化により“選べる学び”が可能になったから』です。

児童生徒数の減少は課題ですが、逆に次のようなチャンスでもあります。

  • 少人数の強みを活かした個別最適化

  • 習熟度別学習の導入がしやすい

  • 複式学級で異学年交流学習が進む

  • ICTを使った柔軟な学習(遠隔・ハイブリッド)

つまり、少子化は多様性教育を実現する絶好の機会です。

最後6つ目は、『子どもの自己肯定感が世界最低レベル』であることです。

戦後の学校教育の中で、個性よりも集団への同調圧力が強まり、失敗を過度に恐れる『減点主義』『没個性化』が進みました。

そのような教育が進められ、“決められた枠”に合わない子が「自分はダメだ」と感じる構造を変える必要があります。多様な学びが保障されれば、「自分らしく学べる」それが「自己肯定感が上がる」という良い循環ができます。

以上のように、これまで行われた教育によって起こっている歪みの狭間に落ちている。あるいは学校へ行きづらさを感じている子どもたちに適切な環境、場を提供していかなければならないと感じます。

また、教育に関する我が国の歴史を紐解いていくと、江戸時代、主に上士の子息が通う藩校、それ以外の子息が学ぶ寺子屋や私塾で成り立ってきました。その教育システムのおかげで我が国は世界でもトップレベルの教育国家でした。西欧諸国と同等以上、アジアでは異例の識字率であり、日本では約半数の日本人が読み書きができたそうです。

そして明治維新、あるいはその後の近代化に貢献したの際に活躍した偉人の多くは、私塾や寺子屋出身でした。

江戸時代は戦争がなかったため、我が国は科学技術をはじめとした『文明』の発達こそ欧米に遅れをとっていましたが、関孝和が世界に先駆けて微分、積分を発見したり、江戸が世界で最先端の『リサイクル国家』であったり、まさに世界最先端の『文化』を持つ国家でした。

しかし開国後に結ばれた関税自主権のない不平等条約を解消するためには、対等な外交交渉をするために近代国家の仲間入りをする必要がありました。そのためには自主憲法の制定、欧米列強に引けを取らない軍隊を持つための『富国強兵』政策が必要でした。

したがって明治以降の教育は、それまでと違い、強い軍隊を作るための教育になり、同じ内容を正しく覚え、そこで良い点を取れる人間が優秀とされました。

その方向性は戦後も基本的には変わっていません。しかしそれが良くなかったかといえば、一概にそうではない側面もあります。高度経済成長、あるいはバブル時に世界と競争するための強い企業を作るためにはそれでよかった時代でした。某清涼飲料水のCMで流れた『24時間戦えますか?』というキャッチフレーズを覚えていらっしゃる方も多いと思います。

しかしながら前述したとおり、バブル崩壊以降、経済は低迷し、インターネットの普及、AIの発達などにより、これまでとは違った人材が必要とされる時代となっています。また、不登校児童・生徒は年々増加傾向です。不登校の増加により、識字率、学力の低下も指摘されるようになってきています。

さらに本市にも見られるように少子化が進み、都市部に『人、モノ、金』が集中することによって周辺地域高齢化、過疎化が進行し、学校の存続が厳しくなり、学校再編、適正配置が課題となっていますが、その中で見失っていけないのは、多様性を担保する『選べる教育環境』であると考えます。

私が携わってきたサッカーの育成年代のテーマソングは『世界に一つだけの花』です。まさに『ナンバーワンにならなくていい、もともと特別なオンリーワン』であればいいのです。

学校教育もまさにそのとおりで、多様性を認め、一人一人に寄り添う教育環境を提供できる場を確保し、オンリーワンを育てる場を提供する必要があります。まさに『弱みを強みに変える』発想転換の元、本市においても取り組むべきではないでしょうか。

これらを踏まえ⑴本市の現状についてお伺いします。

ア ICTを活用した効果的な学びあい学習について、イ インクルーシブ教育と児童・生徒の支援強化についてお答えください。

 

本市においても様々な取り組みが行われていることがわかりました。

ただ、今後のことを考えると、さらにもう一歩踏み込んでいく必要があると思います。


続いて⑵複式学級の活用についてお尋ねします。

私は2010年2011年と愛媛FCアカデミーダイレクター(育成部門統括責任者)を務めました。まさに少人数におけるこの良さを引き出すための気づき・習慣化を徹底的に行いました。そしてその選手にとって適正な負荷のかかる環境を提供するための『飛び級』は当たり前でした。Jリーグアカデミーは少人数制。まさに学校教育では弱みとされる数の少なさを逆手に取り、個の育成を行っています。

そこでお伺いします。ア 複式学級のメリットとデメリット、そして イ 習熟度別授業の更なる推進についてお答えください。

 

私は本市において、まさに『令和の寺子屋』的な教育のできるモデル地域を作り、西条市全体で取り組むべきであると考えています。

今お答えいただいたように、少人数の学校では多様な人間関係を構築することが容易です。その効果として、いじめ、対人ストレスが減ることにより不登校傾向にある子が復帰しやすいなどのメリットもあります。また複式学級の小規模校においては、教職員が児童・生徒の変化に気が付きやすく、その子の個性や課題に応じた指導が容易であり、きめ細かい対応ができることもメリットとして挙げられます。また、デメリットについてもお答えいただきましたが、デメリットを解消し、弱みを強みに変えるために、例えば『地域全体を一つの学校とみなすキャンパス制』として考え、

・曜日によって拠点校での学習、個別学習は近隣小規模校で実施する

・ICT・オンライン授業基盤を整備し、対面を組み合わせたり、市外の大学教授や専門家から学んだりする機会を設ける

・地域人材や定年退職した教員の再雇用

・それによって教員不足、負担軽減をはかるとともに教職員のやりがいを創出する

など検討の余地は十分にあると考えます。

ハードルか高いと思いますが、既成概念に捉われることなく、このように教育の多様性を担保するためのアイデアを、実際の政策に落とし込むための検討を行い、これを実現して『西条教育モデル』として全国に発信しても良いのではないでしょうか。

従来型の“規模基準“や、児童・生徒の人口動態予想で考え、『効率』『学級数確保』のみを基準に再編を行えば、

→不登校対策が後退

→小規模校の教育的価値が喪失

→地域コミュニティの崩壊

が起こる恐れがあります。

これらのことも鑑み、仕組みづくりを検討していただけたらと思いますがいかがでしょうか?

 

ありがとうございます。

続いて⑶校区外から通える小・中学校についてお尋ねします。

⑵でお尋ねしたような、多様な学びの場がもし実現した場合、そこで学ぶことができるようにさまざまな仕組みづくりが必要となってきます。

私は前段で述べましたとおり、愛媛FCでアカデミーダイレクターを務め、J1の鹿島アントラーズでもアカデミー担当コーチとして活動しました。そこでは魅力のある、子どもにとってプラスと感じる環境であれば越境して移住したり、親が県境を跨いでも通わせる家庭もありました。

つまり現在の教育システムではなかなか教育の場に行けない、または行きづらい児童・生徒にとって、また小規模校ならではの教育に魅力を感じる子にとって、校区外であっても通いたい、または移住して家族ごと引っ越してきたいと考えることは自然な流れだと思います。

また逆に、従来型の教育に魅力を感じる家庭にとっては校区外の学校に通いたいというケースも考えられます。

これは余談となりますが、多様な学びの場が作られることによって転入者が増え、地域コミュニティの活性化も期待できると私は考えます。学校は『人口のダム』と言われ、学校は単に子どもが学ぶ場というだけではなく、地域の存続に関わる存在です。

もし校区外の通学が可能になれば、これは既存の教育が行われている校区の学校に通う児童・生徒にとっても選択肢ができ、市内全域の教育の活性化につながると考えます。

これらのことを鑑み、校区外から通える小中学校についての考えをお伺いします。

 

ありがとうございました。

2点再質問させていただきます。

移住、定住について、さまざまな課題があることについては承知しております。しかしながら本市では移住促進のための取り組みもしており、そこと連携したり、希望者にヒアリングを実施したりすることによって克服していく努力も必要と考えるが如何でしょうか?

また、校区外の通学となれば、ほとんどが車での送迎になると考えられるので、通学路の安全確保や見守りの負担について、そこまで考慮する必要はないのではないでしょうか?

 

ありがとうございました。

それでは最後に⑷今後の取り組みについてお伺いします。

今年J 1リーグで残念ながら最下位となりアルビレックス新潟は降格してしまいましたが、かつて「ホームスタジアムであるビッグスワンを満員にするプランを出せ」と社長が社員に指示したそうです。「サッカー文化のない新潟で社長それは無理です」と全員が口を揃えたところ、社長は「俺は最初から無理という結論を聞きたいんじゃない。プランを出せ」と要求し、社員は必死にプランを考え、スタジアムを満員にしました。

また1993年に開幕したJリーグは「とにかくタイミングを逃してはいけない、今やらなければならない。とにかく走りながら考えるんだ」とスタートしました。数年後にバブルが崩壊し、「あの時無理やりにでもスタートしたから今がある。いろんなものが揃ってからと考えていたら今のJリーグはなかった」と振り返ります。

難しい、無理という理由を探すのは簡単です。

しかしながら未来を担う子どもたちにより良い教育環境を提供し、『一人も取り残さない西条』を実現するべきであると考えます。

多様な学びの場を本市に作るための今後の取り組みについて、ぜひ前向きな答弁をお願いいたします。

 

ありがとうございました。

最後に質問させていただきます。

市長はこの間の徳田小学校でのタウンミーティングをはじめ、さまざまな機会を設けて丁寧に市民の声を聞いていらっしゃいます。丁寧に市民の声を聞くことはもちろん大切ですが、地域住民に市側からプランを提示し、推進していく考えはおありでしょうか?

 
 
 

コメント


bottom of page